OpenMCUとNetMeetingを使った電話会議システムについて 2003/8/12 宗近 最近はコスト削減の流れの中、出張による会議の回数をなるだけ少なく して、電話会議にて会議を行う企業も増えてきています。 電話会議のソリューションについては商用製品も多数出ていますが割合 高価なものです。 少人数(3〜4名程度)であれば、オープンソースのソリューションを 用いて電話会議を行うことが可能です。 先日実験したところ、ADSL<->ADSL の回線で実験したところ満足な結果 が得られました。なお、セキュリティ面も考慮してPPTPに寄るVPNな環境 下で実現することとします。PPTPによる遅延はあまり気になりませんで した。 1.サーバー側の環境について  サーバー側にあたる環境には外部からPPTPによる接続が可能な状態に しておきます。  RedHat Linux7.3によるPPTPサーバーの構築については、私がSoftware Design2003年6月号に書いた記事をお読みになるか、以下のサイトを御参照 ください。 http://www.niji-net.com/pukiwiki/pukiwiki.php?%5B%5BPPTP%A4%F2%BB%C8%A4%AA%A4%A6%5D%5D  次に、オープンソースの電話交換機ソフトであるOpenMCUを導入します。  OpenMCUには、pwlibとopenh323のライブラリーが必要です。  以上のソフトについては、http://www.openh323.org/ 辺りから入手してください。  @ソースからの導入について   環境変数のセット、pwlibのコンパイル、openh323のコンパイル、最後に openmcuのコンパイルの順で導入を行います。  ※環境変数のセット $ export PWLIBDIR=/usr/local/src/pwlib $ export OPENH323DIR=/usr/local/src/openh323 $ export LD_LIBRALY_PATH=$PWLIBDIR/lib:$OPENH323DIR/lib:$LD_LIBRARY_PATH  私の個人的な趣味でソースを展開するディレクトリを/usr/local/srcとして いますが適宜読み替えてください。  ※pwlibのコンパイル $ tar xvzf pwlib_1.2.11.tar.gz $ cd pwlib $ make both  ※openh323のコンパイル $ tar xvzf openh323_1.7.11.tar.gz $ cd openh323 $ make both  ※openmcuのコンパイル $ tar xvzf openmcu_1.0.12.tar.gz $ cd openmcu $ make both  次に、OpenMCUの起動方法ですが、/usr/local/src/openmcu/obj_linux_x86_r に移動して、以下のコマンドを実行します。(rootでしかテストしていません) # ./openmcu -n -v -u testmcu ここで"testmcu"としているのは会議につける名前ですので何でも結構です。  このコマンドを実行したコンソールは電話会議を行っている間は閉じないで ください。参加者の状況等をモニタリングできます。 2.クライアント側の環境について  @Windowsの環境からの接続   Windowsであれば、クライアントからのPPTP接続は比較的簡単に行えます。   以下のサイトを参考にしてください。 http://www.niji-net.com/pukiwiki/pukiwiki.php?%5B%5BPPTP%A4%F2%BB%C8%A4%AA%A4%A6%5D%5D   PPTPを起動してから、NetMeetingを起動します。   Windows2000以上ではどうやら標準でNetMeetingは導入されていないよう  ですので、以下のサイトを参考にして導入します。 http://www.atmarkit.co.jp/fwin2k/win2ktips/168netmeetxp/netmeetxp.html NetMeetingの接続先は、OpenMCUが起動しているサーバーとします。  ALinuxの環境からの接続 Linux環境下からの接続はちょっと面倒かもしれません。   以下のサイトが参考になるかもしれませんが、私自身は未検証です。 http://support.interlink.or.jp/myip/linux_router/linux.html   WindowsのNetMeetingにあたるクライアントは、GnomeMeetingになります。   RedHat9とかには入っていると思います。 GnomeMeetingの接続先も、OpenMCUが起動しているサーバーとします。   GnomeMeetingとNetMeetingは相互に互換性があり接続できます。 3.実際に会話する  複数の地点からVPN経由で、OpenMCUのサーバーに接続することで電話会議 が実現できます。実用性は未検証なのですがUSBカメラを各クライアントに 接続している状態であれば、4分割された状態で画像を見ることができます。